4話-1
SE 朝の町中、チュンチュク、ガヤガヤ~ガヤガヤ少し遠く★エキストラパート1★
SE ジョウロでジョロー、手入れ(葉っぱちぎる)
001_コウ「フゥ…よし、今日もキレイだ」口説き文句、畑全体を見て
002_おば「コウちゃんおはよう!今日も早起きね~おばさんまた出遅れちゃったわ~!」ちょっと遠い
003_コウ「あっ、隣の野菜畑の…(独り言)おはようございますー!最近やっと夜明けが早くなってきたんで、つい外に出たくなっちゃって!」遠い
004_おば「ほんと寒さも和らいできたもんねぇ~!でも今日も綺麗な花畑ねぇ!お見事だわぁ~!あ、そうそう、また後で食卓用のお花、買いに行かせてもわうわね!」遠い
005_コウ「わ、嬉しいなぁ!いつもありがとうございます!じゃあお店でお待ちしてますねー!」遠い
SE 手を振る布ずれ
006_コウ「ふふっ(手を小さく振りながら)」
007_コウ「ふぅ、食卓用かぁ。おばさん豪華な花が好みだし…(花畑を見渡す)そうだ(花を見つけて歩いてしゃがむ)うん、ラナンにしよう。春になって一番に咲いてくれたもんな。とびきりキレイだ…」恍惚
008_コウ「よし、今日は準備も早く終わりそうだし、店が開く時間までちょっとだけ森へ散策に行こうか。今日はどんな花が見つかるかな」
SE チュンチュク、湿地っぽい足音。(シーン森)
009_コウ 「(森林浴深呼吸)森は気持ちいいな。緑の香りは心地いいし、土の香りも芳醇…」
SE ザクザク歩く
010_コウ 「いつもと違う方角だけど、生えてる植物は…(見渡しながら)あまり変わりがないな。うん、そろそろ戻って店を…」
011_コウ 「は…(なんて…なんてキレイなんだ…!)…う、あのっ!」声を掛けていいものか少し躊躇いながら
012_マジョ「…」気づいて無言で立ち去ろうとする
013_コウ 「待って!(走る)
僕はこの森の隣の町から来たコウというんだ。キミはこの森をよく知っているようだけれど…あー、うん、聞いてもいいかな?」
014_マジョ「森……、森の事なら…」
015_コウ 「あ…!(返事もらえて嬉しい)えっと、この森のどこかに珍しい花が咲いてる場所を知らないかい?」
016_マジョ「珍しい…?」
017_コウ 「ああ、僕も色や形は知らないんだけど、幻の花と呼ばれる美しい花がこの森にあるって聞いたんだ」
018_マジョ「見つけてどうするの?」
019_コウ 「そりゃあ咲かせるんだよ!僕の手で!」
020_マジョ「…? 花はあなたが咲かせなくても咲くわ」
021_コウ 「うん、そうだね。この森の草花はとっても強い。強くて綺麗だ。でもそれはこの森の土や川、虫や鳥なんかの生き物がいてこそ、この森だからこそだ」
022_コウ 「僕の住んでる町はこの森に比べると土もよくないし、虫や鳥も少ない。だから森の花が町で自生することは不可能だ。
でも、そんな場所でも田を耕し土壌を整え、雨の代わりとなって水を与えれば、花が生きるための環境は作れる。花は咲いてくれるんだ」
023_マジョ「森で生きているだけでは駄目?」
024_コウ 「ダメってわけじゃない。でもこんなに美しい花達を、僕は町の人やもっといろんな人に知ってもらいたいんだ。この美しさを!」
025_コウ 「…っていうのは、君が納得できる理由になるかな?」
026_マジョ「…よくわからない」かなり黙ってからの反応
027_コウ 「うっ…、そうかぁ…」落胆
028マジョ「どれがあなたの言う【珍しい】なのかはわからないけれど」
029コウ 「…?」
030マジョ「この森を案内することはできる。それでいい…?」
031コウ 「ほ、本当にいいのかい!?」
032マジョ「あなたが言い出したこと…」呆れ
033コウ 「やった…!ありがとう!!あっ、じゃあ明日!明日頼めるかな?」
034マジョ「あした…。…ええ」
035コウ 「時間は今と同じくらい、場所はここで待ち合わせよう!
じゃあ僕は今から仕事に行かないといけないから、また明日!」
036マジョ「明日…なのね」ひとりごと。今から案内しようと思ったのに拍子抜け
037コウ 「キミと出会えてよかった!それじゃあ!」
038マジョ「……」最後の捨て台詞ちょっとトキメキ