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1話-1

SE 乾いた風。何もない土地を連想させるような。

SE 足音。子ども2人が山を歩いている。枯葉の音NG。

足場が悪い所を歩いている為、木の根等に躓く(躓きそうになる)ような話し方で。(特にリュウ)

001_リュウ「ねぇ!待ってよォ!」F-in

002_ミリ 「なんで待たないといけないの?私は森へ行くだけよ」F-in

003_リュウ「だから待ってって言ってるんだよ!

街の人たちも言ってるじゃないか、この森には魔女が住んでるって!」

004_ミリ 「へえ、そうなの? 美人でグラマラスで優しいお姉さんだったら最高ね」

005_リュウ「な、何言ってるんだよ、キミも知ってるだろ!

この森の魔女は呪いが使える上、人間を食べちゃう劣悪で凶悪な怖いヤツだって!

今ならまだ間に合う、食べられちゃう前に早く町へ戻ろう!ねぇミリ!!」

006_ミリ 「ねえ、私は一人でここへ来たの。戻りたければリュウ一人で戻ればいいじゃない」

007_リュウ「僕とミリ、二人で戻らなくちゃ意味ないよ!!」リュウにしては強い勢いで

008_ミリ 「…わかった、わかったわよ」

009_リュウ「じゃあ、戻ろう!」笑顔で嬉しそうに言うがミリにさえぎられる。

010_ミリ 「ただし!私、帰り道がわからなくなっちゃったからリュウが先に前を歩いて。いい?」

011_リュウ「う、うん」戸惑いながら返事をしていると再びミリにかぶせられる。

012_ミリ 「それから前を歩いてる時は後ろを振り返らないでね、恥ずかしいから」

013_リュウ「恥ずかしい?」

014_ミリ 「そう、恥ずかしいの。それが女心ってものよ。わかった?」

015_リュウ「う、うん」やっぱりかぶせられる。

016_ミリ 「じゃあ早く行きましょう!

アナタも早く帰りたいんでしょう?今日の水くみ終わってないものね」

SE 足音。子ども2人が山を歩いている。

017_リュウ「えっ!ミリなんで知ってるの!?」

018_ミリ 「ダメ―!振りむいちゃ、ダメ!恥ずかしいって言ったでしょ!?」

019_リュウ「あ、そっか。そうだった。ゴメンね。

でも意外だなぁ、しっかり者のミリが帰り道がわからないだなんて」

020_ミリ 「そう?それよりもっと急いで帰りましょう。

リュウの方が背が低いんだからまだまだ早く歩いたって私は追いつけるわよ?」ちょっと遠い

021_リュウ「ホント?でもミリ、ちょっと離れてない?」

022_ミリ 「そんなことないわよ?ちゃんとリュウとはぐれないように着いて行ってる」ちょっと遠い

023_リュウ「そっか。うん、じゃあちゃんと着いてきてね!」

SE 足音ひとつ

ミリ無言

033_リュウ「あれ?ミリ?着いてきてるよね?もっとゆっくり行こうか?…ミリ?

あー、その、ミリ。振り返ってもいいかな?返事がないけど僕はもう振り返るよ?

いいよね?いくよ!」

SE 衣擦れ。振り返る。空風。

視界のどこにもいないミリ。

034_リュウ「ミリ―――――――――!!どこ行ったんだよォ―――――――――!!」半べそ

035_ミリ 「リュウも心配性よね(ボヤキ)。さっ、日が暮れるまで張り切って探さないと!……幻の花…!」

SE 小走りフェードアウト

036_ナレ「昔々ある町のはずれに、それはそれは美しい森がありました。      森には鮮やかな花々が咲き誇り、空を仰げば青葉の隙間に鳥の歌声がそよぎ、豊かな土は作物を育て、その森は人々の生活に欠かせない存在でした。      しかしある日、怪しい程に美しい姿をした魔女が現れ、その森に住み着いてしまったのです。      魔女は森のあらゆるもの、近付く全ての命を吸い取り、森は枯れ、次々と人々が死んでいったのです。      それから魔女が住むその森は“枯木の森”と呼ばれ、魔女を恐れた人々は誰も立ち入る事はありませんでした」

BGM。物語がはじまるよ的な。ハープがブルンブルンいうやつ。

037_マジョ「枯木の森の魔女」タイトルコール

BGMおわり


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